前回投資とトレードの違いについて書きました。
世の中で一般的に薦められている投資商品といえば、日本株、外国株、投資信託、ETF、REIT、債券、不動産といったものでしょうか。
残念ながら、社会一般的には、デリバティブ(先物、FX、CFD)取引は健全な投資と見られていないことが多いようです。
投資のカテゴリーというより、投機のカテゴリーに入れられやすく、肩身の狭い思いをしています。
ただそのように見られる理由もよくわかります。
何故ならレバレッジをかけて自身の投資額以上の金額を動かすからです。ですが、あえて言います。
これは、誤解と偏見によるものです。金融知識の不足によるところが多いです。
資金の少ない弱小投資家にとって、レバレッジをかけられ売りと買い両方からエントリーできるデリバティブ取引は魅力的な投資対象です。
デリバティブ投資のデメリットを知り、メリットを活かせられれば弱小投資家にとって非常に強い武器になります。( 時に凶器となる諸刃の剣ですが)
デリバティブ(先物、FX、CFD)投資の5つの魅力を挙げてみます。
1 コストの安さ
2 取引時間が長い
3 レバレッジを自由に調整可能
4 売りエントリー可能
5 デリバティブ間の損益通算、損失繰越可能
1 コストの安さ
デリバティブグループ(先物、FX、CFD)は総じて株式グループ(株、投資信託、ETF、REIT、債券)と比べて取引コストにおいて有利です。
同じ海外の株価指数や株式を買う場合、ETFとCFDを比較すれば、手数料も取引コストも保有コストも全てCFDの方が安いです。
2 取引時間が長い
FXやCFDのデリバティブ取引は、日本市場が始まる月曜朝から米国市場が終わる土曜朝まで取引ができます。
先物(日経225)は日本時間の8:45~15:15と16:30~翌5:30まで取引可能です。
国内株式、投資信託、ETFは、東京証券市場が開いている9:00~11:30、12:30~15:00の時間帯に売買できます。
夜間は取引ができません。
アメリカ時間のダウ平均の急落を買いで入りたいと思っても、ETFではそもそも時間外の為エントリーができないのです。
3 レバレッジを自由に調整可能
デリバティブ取引は、レバレッジを10倍以上かけることもできるし、レバレッジをかけない取引もできます。
手持ちの資金や相場状況によって変更が可能です。
資金の少ない当初はフルレバレッジでトレードし、資金が増えたらレバレッジを落としていく戦略(実るほど頭を下げる稲穂戦略)が可能です。
4 売りエントリー可能
当たり前ですが、デリバティブ取引では売りからのエントリーが可能です。
株式グループの商品で現物取引のものは、売りからのエントリーができません。
下げるのがほぼ確実な場面でも売りが出来ないため、ロスカットするか買い増すか塩漬けにする以外方法がないのです。
5 デリバティブ間の損益通算、損失繰越可能
株式グループ(株、投資信託、ETF、REIT、債券)とデリバティブグループ(先物、FX、CFD)は別の税制グループで、グループをまたいだ損益通算や損失の繰り越しはできません。
デリバティブという同じ税制グループにいるおかげで、先物、FX、CFD間の損益は合算できます。
これは非常に大きなメリットです。
先物で大きな利益が出た年の年末、FXやCFDの損失を敢えて作り出す確定申告用損失確定戦略を使うことができます。
FXやCFDの不良ポジションを年末に決済すれば、年間の利益を減らし税額を下げられ、さらに有利なポジションへの買い替えも可能です。
また損失も3年間繰り越しが可能。3年間の損失合計を4年目の利益と相殺できます。
以上、デリバティブ投資の魅力について自分なりに挙げてみました。
投資は必ず利益の出るものではなく、損失が重なって破産することもあり得えます。
失敗しても自己責任。
デリバティブ投資を推奨するものではなく、あくまで投資を正しく学んで正しく運用出来る正しい人に対しての助けになることを望みます。
全てに感謝
種蒔人Tanemakito